連載「阪大教員と♯○○」第一弾「家島明彦先生×♯人生」。
後編も、家島先生から名言が飛び出します!
※前編は こちら から。
これからどんな未来になってほしいですか?
——世の中の人が、自分の望む生き方・働き方ができる未来。
これは、キャリア教育が目指しているところでもあります。だから、僕が関わった人にはそうなってほしいと思って、キャリアデザインの授業をしているし、キャリアセンターで支援も行っています。
そのために、大切にしてほしいとよく伝えている言葉が、人生3つの「な」。
◎なんとかなる~失敗を恐れずチャレンジしよう
◎なるようにしかならない~努力したからといって常に思い通りにはならない
◎なんとかする~思い通りにならなくても腐るのではなく、自分で何とかする
シカゴで帰国日前日にパスポート・携帯・クレジットカードなど全ての貴重品が入ったウエストポーチを盗まれて大ピンチになった時も、シカゴ留学中に知り合った人が日本領事館に勤めていたおかげで、臨時のパスポートをすぐに発行してもらって帰国できました。他にも「何とかなった」経験がたくさんあります。
絶対に、「なんとかなる」から、恐れずチャレンジして、「なるようにしかならない」からうまくいかない時も、“こんなに頑張っているのに!”と腐らず、自分で「なんとかする」と前向きに頑張っていれば、いつか報われると思います。自分の望む生き方・働き方を叶えるために大切な考え方だと思っています。

学生時代の夢は?
——小学2年生の時は、「忍者」とか「探偵」を目指してましたね。
小さい頃からアニメや小説で育ったので、夢見がちな少年でしたね。小学校の文集を見ると、同級生が「野球選手」とか「パイロット」とか人気の職業を挙げる中、「忍者」とか「探偵」とか現実離れしたものを将来の夢として書いていました(苦笑)
高校生の時はテレビで見た「お前なんかクビだ!」というドラマのワンシーンを鵜呑みにして勝手な会社イメージを作り上げ、「自分は帰国子女で生意気な性格だから、会社に入ったら上司に目をつけられてクビになりそう」と、公務員の道を目指していました(笑)
気まぐれの就活で民間企業に内定を得るも辞退して大学院に進学したり、国家公務員(キャリア官僚)を目指してみたり、高校の教員免許を取得するも教員採用試験は受けずに博士後期課程に進学したり、紆余曲折を経て、今に至ります。将来もどうなっているか分かりませんね。だから人生は面白い。

後悔していることは?
——ありません。反省はするけど、後悔はしません。
先に述べた自分ルールがあるので、後悔していることはないですね。僕の中での定義は、失敗から学びを得るために振り返ることが「反省」で、悔やんでも仕方ないことを「あのときこうしていれば」と未練たらしくウジウジ悩むのが「後悔」です。
今までの人生で下した一番素晴らしい決断は?
——長男の出産でのセカンドオピニオンと、育休を取ったこと。
第一子は切迫流産で、産婦人科医に赤ちゃんはもう助からないと言われたんです。でも、「セカンドオピニオン」を知っていたので、諦める前に、他の医者にも診てもらうことにしました。2人目の医者に診てもらうと、出産できることが分かり、無事息子が生まれました。とても健康に育ってくれているので、あの時ちゃんと自分で考え、調べて情報を集め、行動に移せたことは良かったなと思います。
また、育休を取ったことも良かったですね。僕の妻は専業主婦ですが、僕は育休を取りました。今、女性が社会に出る動きは盛んですが、これは男性が家庭に入る動きが伴わないと、循環していかないんですよね。まだまだ男性が、ましてや専業主婦の妻を持つ男性が育休を取ることは珍しいと思います。実際に育休を取ったことで、手続きの煩雑さや、退職金の減額など、男性が育休を取得するうえでの難点を知ることができたのでよかったです。家事・育児の楽しさと大変さも体感できました。将来、上司になった時に、男性が育休を取ることに「僕も取ったよ。」と理解を示したいと思っています。
あなたのNo ●●, no life!
——No narrative(物語), no life! 物語がなければ人生は始まらない!
今の仕事が大好きだと語る家島先生。
仕事が生きがいの1つでもあり、ひたむきに突き進む姿勢に憧れる!
「自分の人生は、自分で創る!」
実際に、たくさんチャレンジして、乗り越えてきたからこそ、決して綺麗事ではなくて、現実的な言葉として受け止められます。
自分の人生の、主人公として、著者として、前向きに生きていきたいですね!