こんにちは!ライターのNatsuです。
阪大の先輩はどうやって大学・学部を選んだのでしょうか。
「『阪大』の現在所属している『学部』を選んだ理由はなんですか。」というアンケートの回答では、①届きそうなレベルだったから、得意科目で受験できたから、という受験上の理由、②自宅から通えるから、一人暮らしをしたかったからという地理上の理由、③入りたいゼミがあったから、学ぶ内容が魅力的だったから、という学習内容上の理由、④就職に有利そうだから、という進路上の理由がありました。
今回は、大学・学部・学科を決めかねている文系の高校生向けに、阪大法学部・経済学部・文学部では、何を勉強するのか、将来何をする人が多いのか、どんな雰囲気なのか、を紹介したいと思います!(*豊中キャンパスの文系学部に絞ったため、外国語学部の紹介はございません)
【大阪大学の特徴】
大阪大学にはどんな人がいて、どんな授業が受けられるのでしょうか。阪大の魅力とともに、お伝えします!
阪大生の出身地は?

北海道1.5%(53)
東北0.3%(12)
関東6.5%(221)
中部4.5%(151)
近畿57.4%(1926)
中国8.6%(290)
四国3.8%(129)
九州7.0%(236)
その他2.6%(87)
(平成31年度)
【参照】https://www.osaka-u.ac.jp/ja/guide/announcement/main/prefecture
2人に1人以上が近畿出身で、近畿以外でも関西圏出身者が多いです。関西弁を始め、バラエティ豊かな方言が飛び交っています。
全体の男女比は 約2:1(男性:女性)!
文系学部では、文学部、人間科学部、外国語学部は女子の方が多く、法学部、経済学部は男子の方が多いです。理系学部では、理学部、基礎工学部、工学部は男子が圧倒的に多く、医学部、歯学部、薬学部は半々程度です。
【参照】https://www.osaka-u.ac.jp/ja/guide/about/data/students.html
阪大の魅力
貴重な機会がいっぱい!
キャンパス内・阪大のサイトの掲示板には、いつもなんらかのプログラム・イベントの募集(無料のものの方が多いです!)があります。そのため、意欲さえあれば様々な経験をすることができます。例えば、「国連ユースボランティア」、「学部学生による自主研究奨励事業」、歌手MISIAさんの講演会、多言語カフェなどなど、本当にたくさんのチャンスがあります。
【参照】https://www.osaka-u.ac.jp/ja/education/ug_jishuken
【参照】https://www.osaka-u.ac.jp/ja/international/outbound/ex_students.html
留学生等いろいろな人と関わることができる!
阪大には、世界100カ国以上から、2600人以上の留学生がいます(2021年5月時点)。そして、授業や課外活動で関わる機会も多くあります。実際に、私が所属している部活では3人の留学生と一緒に活動しています。
また、総合大学で人数も多い(旧帝大では一番人数が多いです)ため、サークルなどに入れば色々な人と関わることができ、学びになると思います。
【参照】https://www.osaka-u.ac.jp/ja/guide/about/data/international.html
自然がいっぱい!
林の中の遊歩道、中庭など、キャンパス内や通学路には自然が溢れています。中庭で勉強したり、森の中を歩いて通学したりと、阪大のキャンパスライフでは自然に日常的に触れることができます!

【法学部】
法学部生がよく使う豊中総合学館です↓

学習内容
~法学科(定員170人)~
「法学科においては、法律の条文の解釈や適用について学ぶ実定法系の科目が多くを占めています。法学科のもう1つの柱は政治学です。法学にはそれ以外に基礎法と呼ばれる分野があります。基礎法というのは、法の歴史、法の基盤・背景となっている思想、基礎理論、社会的動態などを探求する学問です。経済学についても、その基礎理論や法学・政治学と密接に関係する一定の科目を学ぶことができます。」
【参照】http://www.law.osaka-u.ac.jp/undergraduate/wp-content/uploads/sites/2/2020/06/each_hougaku-2020-2.jpg
【参照】http://www.law.osaka-u.ac.jp/undergraduate/curriculum/each.html
~国際公共政策学科(定員80人)~
「教育カリキュラムは三つの大きな特色を持っています。一つは、現代の社会、特に国際社会で生起する諸問題について複眼的な視点から検討する姿勢を身につけるという点です。まず、法学・政治学・経済学の複数分野の基礎を体得し、現実の問題への理解を深め、特に国際社会の法・政治・経済問題への応用力をつけるために、国際関係、国際法、国際経済、外交政策、開発政策、環境政策などを学びます。もう一つは、国際社会で活躍するために、外国語能力、特に英語能力を身につけることです。そのために、国際経験の豊富な教員を配置し、いくつかの授業を英語で行い、外国語文献を必読化しています。最後は、リーダーシップを発揮できる行動力のある人材を育てることです。そのため、コミュニケーション能力を重視し、授業における口頭報告、討論、交渉、報告書作成などを通じて表現力を養えるようにしています。」(阪大HPより引用)
法学部の魅力
実定法の学習を通じて、いろんな場合を想定してつくられている法を学ぶことで、多くの気づきや新たな視点・考え方を得られます。また、政治・経済・歴史・哲学・社会学等の関連学問も学べます。
法学は、国をつくり、支えてきた気概が感じられる誇り高き学問です。制度やその背景について学ぶことで、社会問題に対して当事者意識をもてるようになります。
こんな人にオススメ!
・『鬼滅の刃』の煉獄さんのお母さんの言葉「...生まれついて人よりも多くの才に恵まれた者はその力を世のため人のために使わねばなりません。...弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です。責任を持って果たさなければならない使命なのです。...」に深く共感できる人(社会貢献、正義、平和、弱者救済のために尽力していきたい人)
・制度や統治、社会問題に関心がある人
・考えることが好きな人
男女比

男性:約63%、女性:約37% (令和3年5月時点)
キャンパスライフ
法学部の内情について、現役の学部生に聞きました!
国際公共政策学科は、必修が多いので、体感的に法学科より単位を取るのが大変です。みんな陽キャで賢いです。学生団体や個人の活動など能動的に動く人が多いです。(法学部国際公共政策学科3年)
法学科は、必修は8単位だけですが、期末テスト100%で評価される授業が多めなので、気を抜くと単位が落ちます。部活やアルバイト等との両立は十分に可能です。(法学部法学科3年)
進路
「大阪大学法学部では、卒業後直ちに就職する人は全体の約7割です。就職した卒業生のうち約2割が国家公務員・地方公務員の道に進んでいます。就職・進学のどちらでもない進路として、在学中に司法試験予備試験に合格し、司法試験(本試験)に備える道を選ぶ卒業生も目立つようになりました(2019年は在学中に4名が合格しました)。」(阪大HPより引用)
【参照】http://www.law.osaka-u.ac.jp/undergraduate/about/after.html
法曹(弁護士、裁判官、検察官)になる人は全体の約3割で、意外と民間就職する人が多いですね。
これはとるべき!おすすめ授業
「特別講義(オーストラリア法入門)」
オーストラリアの社会や法についての基礎知識、英語で社会問題について議論・プレゼンする日本での授業と9月中旬の2週間のオーストラリア留学(クイーンズランド工科大学法学部でオーストラリアの社会や法を学ぶ。ホームステイ。予算30万円強。)がセットになった授業です。長期の留学に比べ準備・現地での負担が軽く、ハードルが低い上、オーストラリア工科大学の学生と一緒にワークを行うため友達もできやすいです。
「法政導入演習」
架空の顧客へ法律相談の回答文書をチームで作るといった形で、座学で学んだ知識をフル活用する実践的な授業です。
「国際行動論」
報道されない重要な国際問題について、実務経験のある先生から沢山のお話を聞くことができます。内容は重いものが多いですが、非常にためになり、考えさせられる授業です。
「マスコミと国際公共政策」
朝日新聞の方から記者、編集者、校閲者としてのご経験を伺えるオムニバス形式の授業です。報道のあり方や社会問題について考えさせられる授業です。
「法と開発」
JICAや法務省の方から、法整備事業の経験談を伺えるオムニバス形式の授業です。
「外国語文献研究1(英語)」
英語で政治哲学書を読み、授業で解説を受けます。政治哲学に興味のある方、英語でアカデミックな内容を学びたい方必見の授業です。
「中国外交論」
中国の歴史から、中国の外交を考える授業で、高校の世界史の教科書でならった中国のイメージを覆されます。思わず授業に夢中になってしまうこと間違いなしです。
【経済学部】
経済学部生がよく使う法経講義棟です↓

学習内容
「数理的な分析ツールを身につけた上で、経済学、経済史、経営学の基礎知識を学びます。その後、これらの分析ツールと基礎知識を応用しながら、経済学、経済史、経営学における、より専門的な科目を履修し、経済・社会現象を理論的、実証的、歴史的にとらえるための知識と思考法を学びます。さらに、現在の経済や企業が直面する問題や最先端の研究成果を学ぶことができるように、より高度な科目も用意しています。いくつかの科目は英語で行われます。
演習では、現実の経済・社会問題をテーマに、教員の指導のもと、そして学生同士の議論を通じて解決策を探ります。講義科目で修得した経済学・経営学の知識と思考法を駆使しながら、問題解決のためのデザイン力を養います。そして、議論を通じて、教員や他の学生との豊かな人間関係を築くことができます。」(阪大HPより引用)
【参照】https://www.osaka-u.ac.jp/ja/guide/announcement/main/policies/s-economics_policy.html
経済学部の魅力
数学や統計についてきちんと学ばせてくれるのは非常に良いと思います。なぜなら、いまの社会において統計リテラシーの低さはもろに情報アドバンテージの不利さやフェイクニュース、詐欺などへの騙されやすさにつながるからです。
一見経済とは関係ないような恋愛、スポーツ、ギャンブル、ダイエット方法、心理学等のさまざまなトピックをカバーしていることも魅力です。
こんな人にオススメ!
・実社会とつながっている学問分野を勉強したい人
・世界で活躍する企業やその歴史に興味がある人
進路
「卒業生の多くは、株式市場第一部上場企業に就職していますが、国家公務員や地方公務員、あるいは公認会計士・税理士として活躍している人も多くいます。また、大学院に進学した後、第一線の研究者として国際的に活躍している人もいます。」(阪大HPより引用)
【参照】https://www.econ.osaka-u.ac.jp/academics/u_alumni.html
男女比

男性:約75%、女性:約25% (令和3年5月時点)
これはとるべき!おすすめ授業
「統計」
実生活でも役立つ統計リテラシーを高められます。(経済学部経営学科卒業生)
【文学部】
文学部生(各専修により異なります)がよく使う芸術研究棟です↓

学習内容
「学生のみなさんは1年次2学期に、自分が進む専修を決定します。その参考となるように、1年次1学期に「文学部共通概説」が開講されています。これ は30名余りの文学部の教員が交代で、それぞれ自分の研究や専修の概要について話をする、ガイダンス的色彩の濃い授業です。専修決定は、学生の希望通りに行われるのが原則ですが、希望者が多すぎて専修の基準数を越えた場合には試験が実施されます。
2年次からは各専修に分かれて、専門教育科目を本格的に履修することになります。
専門教育科目は、講義、演習のいずれかの形態をとっています。」
【参照】https://www.let.osaka-u.ac.jp/ja/academics/undergraduate/curriculum
文学部の魅力
文学部での学びは人生を豊かにしてくれるものであり、教養や知識の深さといった点でひじょうに魅力的です。
また、文学部での学びは、実際社会に出たのちに様々な形で役に立ちます。例えば、哲学や思想の学習からは、ものの考え方や深い洞察力を養うことができ、それは就職先で活用できるスキルになります。歴史・文学・文化・芸術の学習は、自分の専門を深める中で、他専門や他時代、他分野との比較をする過程で培われる多角的・巨視的なものの見方・考え方は、社会に出ても十分通用するスキルになります。
さらに、20以上ある専修(大きく分けて哲学/思想・歴史・文学・文化・芸術)から各々の興味に沿った専修を自由に選択することができることも魅力です。みな興味のある事柄が様々なので、同級生や上級生との交流はとても刺激的です。
加えて、所属先の専修や研究室で自身の専門性を深められるだけでなく、他専修で興味のある授業も自由に取れるため、多角的で柔軟な見方・考え方ができるようになります。分野横断的な学びもできます。
こんな人にオススメ!
・言語や文学など、「言葉」に関わることが好きな人
・いろいろな世界・時代に関心がある人
・歴史・文化に触れることが好きな人
・「考えること」が生きる喜びだと感じられる人
・好奇心旺盛な人
男女比

男性:約43%、女性:約57% (令和3年5月時点)
キャンパスライフ
文学部の雰囲気について現役の学部生に聞きました!
学部内恋愛はあるが、多くはないです。サークルなどで出会った人と付き合っている人が多い印象です。
文系学部の中でも大人しめな人が多いです。時間割は比較的楽で、部活やサークル、アルバイトなどとの両立もしやすいです。留年もないため最低限単位をとるならそこまで労力を要しません。ただし、専修(研究室)によっては演習などの授業が厳しく、かなり勉強しなければいけないです。(文学部人文学科4年)
進路
「卒業生の進路は、主に大学院進学と就職に分かれます。就職者が約80%、大学院への進学者が約20%です。卒業生の就職状況は毎年良好であり、さまざまな業種・職種の第一線で活躍しています。」(阪大HPより一部省略して引用)
これはとるべき!おすすめ授業
おすすめの授業について現役の学部生に調査しました!
「ジェンダー・セクシュアリティ研究基礎講義」
オムニバス形式で行われる、倫理学・分析哲学・美術史学・フェミニズム史といった観点からジェンダー・セクシュアリティを考える授業です。オムニバス授業は、自分が普段積極的に学ぼうとはしない分野から新たな気づきを得たり、一つのテーマについて様々な観点から考えたりする良い機会になり、分野横断的な学びができます。(文学部人文学科)
「倫理学演習」
普段の生活に身近な問題から考えることができます。(文学部人文学科4年)
「日本語学講義」
先生が面白いです!(文学部人文学科4年)
阪大に入ったら取りたい授業!(一般教養:全学部共通でとれる授業)
阪大一年生では、どんな授業がとれるのでしょうか?
一般教養のおすすめ授業をお伝えします!
「世界は今」アメリカのシリコンバレーで活躍されている方々が中継でしてくださるオムニバス形式(一人の先生がずっと授業するのではなく、沢山の先生が一つのテーマについて各専門の立場から授業する形式)の授業です。
「関西は今」
SONY等関西の大企業の経営者層の方々のオムニバス形式の講義です。
「現代キャリアデザイン論I」
キャリアの理論の学習・ワーク、白熱教室、阪大OBとの交流を通じて自らのキャリアについて考えられる授業です。
「女性リーダーとの対話」
企業の社長、市長等様々なフィールドの女性リーダーのお話を伺えるオムニバス形式の授業です。
「学問の扉(蛋白質科学)」
がんや遺伝子組み換え食品等身近なトピックを文系にもわかりやすく原理的な解説をしてくださる授業です。
いかがでしたか?他にも、HPや、授業体験や大学の先生が高校生向けに書いた記事が載っている夢ナビ、先輩などから情報が得られます。本記事がみなさんの学部選択の一助になれば幸いです。