こんにちは!ライターのLeonです。
皆さんは誰かと意見がぶつかって「なんでわかってくれないの?」と思ったことはありませんか?
僕は実際にこのようなことがよくあります。
でも相手の言い分も間違ってはいないので、なかなか折り合いをつけられなくて困ってしまいますよね。
そこで、今回紹介するこの本を読むと「なぜこのような事態が起こるのか!「どうすればそれを避けることができるのか!」がわかっちゃいます!
この記事では、「皆さんが日常で直面する様々な問題の解決に役立つ一冊」を紹介していきたいと思います。
具体と抽象
将来、多くの仕事がAIにとって変わられると言われて久しいですが
著者は「AIに使われていく人」と「AIを活用していく人」への二分化が起こると考えています。
近年ネットの普及によって個人が入手できる情報量は飛躍的に増加しています。
その結果、わからないことがあればほんの十数秒で調べることができるようになったことで昔は重宝された「知識を多く持つ人」の価値が下がってきています。
この本では下に示したような三角形の知的能力と知の発展モデルが度々出てきており、
横軸は人が持つ知識や情報の量を、縦軸はその抽象度を表しています。

優秀な人は具体的な事例を一般化したり、抽象的な考え方から具体的な解決案を出したり
できるので、AIを自分の都合の良いように利用する「AIを活用していく人」になっていきます。
一方で知識は豊富でも抽象化、具体化のプロセスを踏むことが苦手な人は、大量の情報を持つAIに仕事を取られ、マニュアル通りに作業をこなすだけの「AIに使われていく人」となってしまいます。
この本ではたくさんの演習が用意されており、それらを解きながら読み進めていくことで、実際に具体化、抽象化のトレーニングを行います。
具体と抽象を行き来する考え方を学び、身につけ、この本を読み終える頃には「自ら能動的に考える力」が付いていることでしょう。
「具体抽象トレーニング」をお勧めしたい人
・できる人だな?!って思われたい人!
・柔軟で頭の柔らかい人間になりたい人!
・答えのない問題を解くのが上手になりたい人!
・自分の持つ知識を存分に活かしたい人!
・すでにたくさんの知識を持っているであろうそこの阪大生!
・将来日本の社会を引っ張っていくべきそこの阪大生!
おそらくこの世の全ての人が必要としている力を育める一冊となっています!
今の時代、自分で考えて行動して、答えのない問題に取り組むことが多くなっています。
そんな世界で生き抜くために、活躍するためにこの記事を読んでくださった方にはぜひ読んでもらいたいです!
「具体抽象トレーニング」を実際にやってみよう!

[演習問題 本書p167]
SNS上ではよく見られる以下のような会話の根本的課題を「具体と抽象」の観点から考えてください。
A 「加害者の人権も認められるべきだ」
B 「お前は自分の家族が被害者でも同じことが言えるのか?」
誰しもが一度は見聞きしたことがある議論ではないでしょうか。
筆者はこれを「不毛な議論」としています。
ではこの会話に潜んでいる根本的課題とは一体何なのでしょうか。
これに「具体と抽象」を当てはめてみます。
「加害者の人権を認めるべきだ」というのは良くも悪くも一般論、つまり抽象度の高い話になります。
一方で「お前は自分の家族が被害者でも同じことが言えるのか?」という反論は個別の具体的な話ということになります。
抽象化とは都合のいいように物事をバサッと言い切って一般化することなので、そこで切り捨てられてしまった部分、ここでいう被害者側の意見との間には前提条件の違いがあるので会話での齟齬が生じてしまいます。
人は無意識のうちに具体と抽象のレベルを変えて話をしているため、このように互いのスタンスが違う状態で、そのギャップに気づかずに議論を進めてしまうのです。
「具体抽象トレーニング」から学べること
本書では「具体と抽象」という軸を我々の考え方に取り組む重要性そのプロセスを学ぶことができます。
何事にも具体と抽象の視点を持つことで、現在の議論がどの土俵の上で行われているかを発見できます。
問題さえ発見できればあとは簡単です。なぜなら、なかなか解決しない問題でも実際はそもそもの問題を理解できていない場合が多いからです。
したがって本書を通して、問題を可視化しその解決策を自分で考えるトレーニングをすることができるでしょう。
まとめ
よくこの手のビジネス書では筆者が読者を説くような構造になりがちですが、この本ではたくさんの具体例が出てきて、それぞれに対し丁寧に、読者に寄り添って話が進められているのでとても読みやすかったです。
また読みながら実践的な演習をこなすことで、理解がより一層深まりどんどん次に読み進めたくなりました。
それに加え、誰しもが必要な考え方が紹介されていて、一度読み終わってからもその都度に部分的に読み直したくなるような一冊になっています。
これからの僕にとって、とても価値のある本に出会えた気がします。
ぜひ皆さんも読んでみてください!!!

書籍情報
【書籍名】 「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問
【著者】 細谷 功
1964年、神奈川県生まれ。東京大学工学部卒。(株)東芝で技術者として勤務の後、アーンスト&ヤング、キャップジェミニ等での欧米系コンサルティング経験を経て 2012年より(株)クニエ(前身はアーンスト&ヤング)にて業務。著書に『地頭を鍛える』『なぜ、あの人とかみ合わないのか』『具体と抽象』などがある。
【発行所】 PHP研究所
詳しくはコチラ!!