みなさんこんにちは。ライターの岸田です。
コロナウイルスの感染拡大がまだ止まらない昨今、どのようにお過ごしですか?
たびたび記事にしてきましたが、コロナウイルスの影響は様々なところに現れました。その一つが留学です。
コロナウイルスの影響で大阪大学の2020年度の交換留学はすべて渡航ができていません。留学ができなくなってしまい、就活の時期がずれてしまったり、人生設計が変更になってしまったり、、、。
この記事では、コロナウイルス留学に行けなくなってしまった学生がどのように日本での時間を過ごしていたのかに注目します。今回は、2020年度の交換留学に行く予定だった2人の方にお話を伺いました。
それぞれどんな葛藤を抱えられ現在は何をされているのか、お話してくださいました。
様々なことに取り組んだI.C.さんのケース
【プロフィール】
所属:経済学部3年
部活:アルティメット部
留学予定だった国:オランダ
留学予定だった大学:グローニンゲン大学
【予定していたスケジュールと実際のスケジュール】

留学中止の経緯とその時の心情を教えてくださいーーーー
2020年9月からオランダのグローニンゲン大学に留学をする予定でした。しかし、6月に派遣先大学から受け入れができないとの連絡を受けました。英語のスコアをとり、手間のかかる申請をし、面接を突破、奨学金の申請も通りあとは行くだけとなっていた段階でのまさかの受け入れ拒否に、当時は涙があふれました。コロナウイルスという不測の事態ということは、わかってはいたけれど、どうしようもなくただただ悲しかったです。
ただ、全ての期間が中止というわけではなく、2月から6月までの春学期でオンライン留学ができるということだったので、オンライン留学に参加することにしました。
当初の予定はどのように変更になりましたかーーーー
9月からの留学が中止になったのが6月で、就活の時期に悩みました。本来なら、2021年の6月に帰っててきてから就活をして2023卒になる計画でした。今年もう一度交換留学に応募して卒業をさらに1年伸ばすのか、それともこのまま留学はあきらめて就活をし卒業するのかすごく悩みました。しかし、さらに1年延ばしても留学できる保証はないけど、留学もできるならしたいということで、結局「22卒での就活をし、その後卒業までの期間で留学をする」という選択をしました。今年部局間留学に応募し、無事ブリティッシュコロンビア大学への内定を頂けました。予定では2021年の9月から12月に留学します。
留学する予定だった期間は何をされていますかーーーー
オンライン留学、グローバルビレッジでの寮生活、長期インターン、就活をしています。
すごくいろいろされているんですね!!(驚)内容を詳しく教えてくださいーーーーー
①オンライン留学
留学予定だったグローニンゲン大学での授業を2つ、2月から受講しています。幸い、冬学期はオンラインでの開講をしていたので受講を決めました。1月まで阪大の授業を受けて、その後から向こうの授業を受けています。マーケティングの授業等をとっていて、グループデスカッションをする授業もあります。私は参加していませんが、あちらの大学にもサークルのようなものがあり、留学生も参加できるみたいです。オンラインとはいえ、向こうの大学先の学生と交流機会は持てています。
②グローバルビレッジ
グローバルビレッジとは、大阪大学が運営してる留学生のための寮です。山田のほうに寮があり、去年の10月頃から住んでいます。koanの掲示を見ていると、留学を考えている日本人向けの枠の募集を見つけたので応募しました。1人1つ個室があって、キッチン等は共用で使用しています。寮に住んでいる留学生とコミュニケーションをとるのは楽しいです。

③長期インターン
長期インターンでは、英語をアクティブに学ぶRippleEnglishという授業の運営を行っています。教師という立場ではないですが、進行をするファシリテーターとしてインターンに参加しています。きっかけは、留学できないなら日本で何かやろうかなと思ったことです。お世話になっている先輩におすすめの長期インターンを伺ったところ、それならうちでやらないかとお話を頂いたのでこのインターンをしています。前までは受講生として参加していたのですが、ファシリテーターになって授業の準備のために資料を読み込んだり休憩時間に話す雑談を考えたりとすごく刺激的です。

今あの時を振り返ってどう思いますか?ーーーー
まじで、本当にコロナはうざい!留学ももちろん影響を受けましたが、部活も3月以降の大会は全てなくなってます。本来なら8月末に引退試合がありましたが、もちろんそれも中止になりました。
ただ、留学がなくなったときは、とりあえず悲しかったけど、そこで何もしないんじゃなくてできることをいろいろしたのは良かったなと思っています。本読んだり、映画を見たり、寮に入って友達ができたり、インターンで新しい発見もありました。仮にほかの長期インターンに行ってたとしてもそれはそれで違う発見が会ったんだろうなとも思います。コロナはうざいけど、いろいろ行動したのは良かったと思っています。
お話ありがとうございました!
コロナウイルスの影響で留学に行けなくなったり卒業年度が変更になったり、すごく大変な思いをされていると感じました。それ以上に行動力にあふれていて素晴らしいなと感じました。コロナは本当にうざいですが、できる範囲でいろいろ探してみることで、できることはあるのかなとお話を聞いて思いました。
進路が大きく変わったM.Y.さんのケース
【プロフィール】
所属:文学部 3年
サークル:国際交流系サークルに所属
留学予定だった国:スペイン
留学予定だった大学:マドリード自治大学
【予定していたスケジュールと実際のスケジュール】

留学中止の経緯を教えてくださいーーーー
コロナウイルスが騒がれ始めた初期の段階で、スペインへの留学は諦めていました。というのも、スペインの感染者数がすごく多くてニュースで報道されていたからです。正式な連絡がきたのは7月頃で、阪大の国際部から今後の方針についてメールが来ました。留学を延期にしたり、またもう一度申し込むという選択もありましたが最終的には辞退という形をとりました。辞退したのが8月の中旬でそこからは就活を始めました。
辞退を決められた理由を教えてくださいーーー
辞退を決めた理由は、交換留学の目的に深くかかわっています。
なるほど、交換留学の目的は何でしたか?ーーーー
将来は海外の大学院に行って、研究者の道を目指そうと考えていました。その足がかりとして国際経験や英語の力を培えたらいいなと思い交換留学に応募しました。親族に研究者がいる影響もあり、小さい頃から歴史がすごく好きなのも影響していました。
高校生の時に、ISがシリアのパルミラ遺跡を爆破した事件がありました。そのことに対して、すごく怒りを覚え、その時から漠然と紛争地帯の遺跡を守りたいと思うようになりました。
その思いと、もともとの興味から大学では歴史を勉強するために文学部に入りました。
また調べてみると、パルミラ遺跡は現地の人に盗掘されているということもわかりました。
これがきっかけで、特に現代の人が遺跡とどのように関わっていくのかというところに注目するようになりました。その分野に関心を持ち始めて、院でもこの分野について研究しようと思っていました。ただ、日本ではこの分野はまだまだ研究されていないので院は海外と考えていました。スペインを選んだ理由は、中学校の時にスペイン語を少し習っていたのと、スペイン内戦の遺産が残っているスペインで、現地の人が遺産とどのように関わっているのか見たかったからです。
すごく熱い思いを感じたのですが、結局辞退されたのはどうしてですかーーーーー
このコロナ下で、交換留学もいけない、大学院の留学も難しいという状況が一つの理由です。先の見通しが全く立たない中で、数年後、本当に海外に行けるのかと考えたときに確証がありませんでした。
また、勉強や研究計画を立てるのは好きでしたが、同時に強いストレスを勉強自体に感じている自分もいました。院に進んでも研究者としてお金を稼げるのかというプレッシャーも感じていました。コロナウイルスの影響で家にいることが多くなりアマゾンプライム等で映画を見たり、本を読んだりそのようなふとした日常が幸せだと思ったというのも理由です。
だったら、就活をしてお金を稼いでふとした幸せを感じる人生もいいなと思い、留学と、自分のしたかった研究の道ではなく、企業に就職するという道を選択しました。
コロナウイルスで将来設計まで大きく変化したんですね。将来研究に戻る事は考えられていますか?
たまに考えますが、今は就職をしてその場所で頑張っていきたいという思いが強いです。それに就活が結構楽しいです。今まで、就職に興味を持ってなかったので「企業って結局利益主義なんだろうな」って考えていました。就活をしてその考えが覆されたし、社会を幅広く知れるからすごく楽しいです。労働とは何かを考えるいい機会になっています。
今あの時を振り返ってどう思いますか?ーーーー
コロナによって人生を大きく変えられたのはすごく感じます。けど、自分で決めた道は信じようという思いも強いです。今までは、”研究”1本で人生を考えてきましたが、突き進まなくてもいいし幸せなように臨機応変に生きれたらいいなと思っています。
後悔しても仕方ない。いろんな方向を決めるのは自分で、自分が行く道で頑張るしかないと思っています。
クリスマス、年越しはマドリードで迎える予定だったのに、、、、なるようになるさって感じですね。幸せを探りつつ生きていこうと思います。
お話ありがとうございました。コロナウイルスの影響は留学の辞退だけではなく、将来の道にまで及んでいることに、虚無感を感じます。私たちにはどうすることもできないからこそ、自分がその時納得のできる選択を選びその場所で頑張るしかないのかもしれませんね。
おわりに
お二人ともお話を聞かせていただきありがとうございました。事実だけではなく、気持ちの部分も吐露してくださりお二人のやりきれない感情やそれでも今できることをするという強い気持ちを感じることができました。コロナウイルスで留学だけでなく様々なことが出来なくなった学生の方も多いと思います。コロナウイルスのおかげで頑張れましたなんて美談には到底できないですが、それでも私たちは自分で様々なことを決めて進んでいかないといけません。はやくコロナ収束してくれ。マジで!!!!!!!!!