こんにちは、ライターのクボトモキです。
前回は、バブルの崩壊とインターネットの普及以降、IT企業の台頭が進み、資本として人が重要視されるようになってきた、という流れで書いていました。
そして、そんなIT企業が台頭できたのは、従来の大企業とはまた違った優秀な人材を持っていたからだ、ということで止めていたと思います。
では、それはどんな人なのか?
ずばり、何かの分野で専門性をもっている人です。
経理のプロフェッショナル、マーケティングのプロフェッショナルなどなど。自分自身の市場価値が高ければ、たとえ大企業の存続が保証されない時代であっても、自分は安定できる、と経営学部准教授の中川先生も話しています。
逆に、従来の優秀な人というのは何だったのか?これは、大学入試制度に関係してきます。
明治時代以来、大学入試には、明確な目的がありました。社会に送り出すホワイトカラーをふるい分ける、という目的です。つまり、優秀な大学に入っていれば、それだけで処理能力が高いとみなされたわけです。
ところが、AIが労働市場に入ってくると、処理能力が求められる仕事は、コンピュータにやらせておけばよい、ということになります。コンピュータは、人間とは比べものにならないほど、形式的な事に対する処理能力が高いので、労働コストの削減には大いに役立ちます。だからこそ、今ある職はどんどんなくなっていく、と騒がれているわけです。
そういう時代だからこそ、処理能力の高さではなくて、自分の専門領域の中で、クリエイティブな価値を生み出していく、ということが求められているのではないでしょうか。
ここまでを踏まえると、大企業に入るかどうかは、自分の専門性を活かす上で資本や組織というものが必要かどうなのか、ということが一つの判断軸として入ってくることが分かります。
いかがでしたか?専門性っていわれても、難しいですよね。僕も、日頃から、他人にこれだけは負けない!っていうものを意識しようと思います。
ではでは。
<参照>
落合陽一『これからの世界をつくる仲間たちへ』小学館
新井紀子『AI vs.教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社
中川先生のやさしいビジネス研究