こんにちは!ライターのこりんです。今回は阪大を目指している受験生に向けて、外国語学部、通称「外語」について紹介したいと思います。
本記事では、外語の学部生が合格を勝ち取った受験テクニックをはじめ、外語の授業や学生生活に至るまで、外語の受験を検討している皆さんの役に立つであろう内容をまとめてみました。
記事を作成する中で、阪大生の私でも知らなかった外語の魅力を、たくさん見つけることができました。皆さんのモチベアップに繋がること間違いなし!
ぜひ、最後まで読んでくださいね。
Contents
阪大外語の基本情報
1.外語の教育理念と教育目標
まず初めに、外国語学部の教育の基盤となっている、理念と目標を紹介したいと思います。
外国語学部の教育理念モットーは次のようになっています。
言葉を究めて世界へはばたく
Let Language Be Your Wings To The World
また、外国語学部の教育目標モットーは次のようになっています。
言語を通して文化を学び、文化を通して言語を学ぶ
Culture Through Language, Language Through Culture
これらの言葉からも分かるように、外国語学部は、ただ単に言語を習得するだけに留まらず、言語を究めていく中で高い教養を身に付けるとともに、社会や文化への理解を深め、国際社会において活躍することのできる人材を育てる学部と言えるでしょう。
【参照】http://www.sfs.osaka-u.ac.jp/outlines/principles.html(閲覧日:2021/09/17
2.知ってる? 阪大外語の歴史
阪大外国語学部は以下のような変遷を遂げて、今に至ります。

以下の写真は、今年4月に開校したばかりの箕面新キャンパスです。


受験生の皆さん、この歴史ある学部で、これほどまでに素敵な新キャンパスで大学生活を送るの、夢みたいじゃないですか!?近くにお住まいの方は、受験勉強のやる気をあげるためにも、一度新キャンパスに行ってみるのもいいかもしれません。
もしよければ、ネオテキジュクの記事の中で新キャンパスについてまとめているものがありますので、気になる方はそちらもご覧ください!
【参照】http://www.sfs.osaka-u.ac.jp/outlines/history.html
(閲覧日:2021/09/18)
https://www.asahi.com/articles/ASP4176MVP41PTIL00Q.html?iref=pc_photo_gallery_bottom
(閲覧日:2021/09/19)
【受験生必見!阪大外語の受験、どうやって乗り越える?】
外語の受験を検討している皆さんの中には、以下の点で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
1.専攻言語をどうやって決めたらいいのか分からない
2.受験勉強はどのようなやり方が効果的なのか?
外語には25もの専攻言語があるうえ、受験する年や言語によって入試の倍率の変動も大きいです。そのため、「外国語は学びたいが、『絶対にこの言語を専攻したい』というわけではない」という受験生にとっては、専攻語選びも難しいでしょう。また、外語の入試は他学部とは異なり、英語を強く重視したものとなっているので、外語受験に特化した入試対策が必要です。外語に合格した先輩方は、一体どのようにして受験を乗り越えてきたのでしょうか?
1.専攻語の決め方
合格した先輩たちがどうやって専攻言語を選んだのかを聞いてみました。
「世界史が元々好きで、中でもビザンツ帝国・オスマン帝国とコンスタンティノープルに憧れを持っていたのでトルコを選びました。」(トルコ語・1年)
「日本語と文法が同じと聞いており興味があったから。ことわざ文化が面白そうだと思ったから。」(モンゴル語・1年)
「最初は英語専攻志望だったが、英語は他の大学でも出来ると思い、阪大でしか学べないスウェーデン語専攻を選んだ。他にも元から北欧の雰囲気が好きであったり国旗がかわいかったなどの理由もある。」(スウェーデン語・2年)
「漠然とマイナー言語を学びたいという気持ちがありました。主要言語(英語・フランス語・中国語など)は話せる人も多くいるし、その地域の研究も比較的進んでいると思います。あまり精通してないからこそ魅力を感じました。インドというと日本とはどこか正反対のイメージがあるし、考え方も宗教も多様で自分の世界をもっと広げたい!という気持ちが大きかったです!」(ヒンディー語・3年)
このように、専攻言語の選び方は人それぞれですが、アンケートを答えてくれた先輩方の中では、その言語が話されている国や地域に興味関心を抱いていたから、という理由が多く見られました。確固とした理由がなくても、「何となくこういうところに惹かれた」という理由で専攻言語を選ぶのもいいですね!
また、他の国立大学では学ぶことのできない言語も深く習得することができる、という阪大外国語学部の良さを活かして、敢えてマイナーな言語を選ぶ人も多いようです。
2.先輩たちの外語合格テクニック
まず初めに、外語の入試の得点配分は以下のようになっています。
試験区分 | 国語 | 地歴 | 公民 | 理科 | 数学 | 外国語 | 合計 | 総合計 |
共通テスト | 25 | 50(25×2) | 25 | 25 | 25 | 150 | 650 | |
個別 | 100 | 世界史or数学から選択→100 | 300 | 500 |
【参照】令和3年度大阪大学 入学者選抜要綱(令和2年7月発行)
この得点配分より、外語の受験で一番重視すべきなのは個別試験の英語ではないかと言えます。外語の英語の試験は、得点配分が大きいというだけに留まらず、問題自体も超難問であり、そのうえリスニング試験も課されます。以下、先輩たちが合格を勝ち取った受験勉強テクニックをまとめました。
「リスニングは東大で練習」(タイ語・3年)
「長文が気が遠くなるくらい長いかつほとんど記述問題で点数が大きいので、長文読解に力を入れました。とはいっても長文読解するにおいて単語力・文法力は必須なのでコツコツと知識を貯めていました。」(ヒンディー語・3年)
「Tedを活用したリスニング対策、とにかくまいにち英語に触れること、単語量を増やすこと」(モンゴル語・1年)
「長文は多読・速読を意識して大量に読み、英作文は京大の問題をやる。」(スウェーデン語・2年)
このように先輩たちは、ただ過去問や問題集などを解くというだけではなく、+αの勉強法を取り入れて対策をしていたようです。周りの受験生と差をつけるためにも、外語の入試と同じくらい、あるいはそれ以上の難易度の教材を用いて対策をすることが、効果的な勉強方法になると言えるでしょう。但し、難しい教材だけを用いるのではなく、単語や文法など、基本的な知識をコツコツ蓄えておくことも大切です。
また、これらの英語の勉強方法以外にも、各試験への力の入れ具合などに関する回答もあったので、紹介したいと思います。
「外国語学部の特殊な配点の関係上、共通テスト対策は足切りだけ引っかからないように気をつけ、最低限の勉強だけにしておくといいと思います。」(トルコ語・1年)
「二次試験の英語が他学部と違う問題で難易度が高いです。そして二次試験とセンター試験の比率に関しても、圧倒的に二次試験が大きく重要です。なので理科基礎や国語の+5点より英語の+1点を意識していました。6割は英語の勉強というイメージです。」(ヒンディー語・3年)
英語ばかりに力を注ぎすぎるのは禁物ですが、得点配分や自分の現時点での学力をよく考えながら、外語受験に特化した対策をすることが、外語合格への鍵となるでしょう。
外語の魅力
私は法学部なのですが、外語に対しては「仲がよさそう」「とにかく楽しそう!」などといったプラスのイメージがすごく強いです!(正直、とても羨ましい、、笑)そこで、実際に外国語学部生にアンケートで、外語の魅力について尋ねてみました。外語を目指している受験生の皆さん!モチベアップに繋がること間違いなしです!
「あなたが思う外国語学部の一番の魅力は何ですか?」
①とにかく仲良くなりやすい!
「少人数なので仲良くなれる」(モンゴル語・1年)
「少人数でアットホームな感じなので、専攻語のメンバーはもちろんかなり仲良いですが、専攻を超えた繋がりも多くできます。その友人たちから各地域の文化や言語などの深い話を気軽に聞けるのも世界を知る方法の1つです。」(ヒンディー語・3年)
外語の魅力として最もよく挙げられていたのは、「仲良くなりやすい」ということです。その要因としては、以下のような外語の特徴が挙げられます。
・専攻語ごとの人数が少ない(最少12名~最多57名)
・1,2年生の間は毎日専攻語の授業があり、毎日顔を合わせる
・学部全体の人数は多く(令和3年度の入学者数は580名)、人脈も広げやすい
・学年を超えた交流の機会も設けられている
・学部や専攻言語特有のイベントが豊富
【参照】https://www.osaka-u.ac.jp/ja/guide/about/data/admit.html(閲覧日:2021/09/24)
人数が少なく、かつ毎日顔を合わせるとなると、まるで高校生の頃までと同じように親しくなれそうですね!私は法学部生なのですが、学科の人数は多いうえ、履修科目も友達と異なるので、毎日顔を合わせている人なんていない気がします…
また、外語の友達のSNSを見ていると、異なる言語の子ともすごく仲良くしていて…羨ましい限りです。
因みに、皆さんも気になっているであろう「外語特有のイベント」には以下のようなものがあります。
<外語特有のイベント>
・専攻言語が話されている国や地域の伝統的なお祭りを再現して開催
・伝統料理などを作って食べる会
・語劇祭
・現地で語学研修(夏休みに行われ、ほとんどの学生が参加する。)
・現地の学生との交流会
・ハロウィンパーティーやクリスマス会 etc
このほかにもたくさんのイベントが行われています。ただ楽しいというだけでなく、専攻言語や文化に関する知識を深めることもでき、より一層勉強のやる気が湧くこと間違いなしです!
②充実した外国語の勉強ができる!
「たくさんの言語があって、他の言語を学ぶ人と交流する中で、言語の面白い話をいっぱいすることができること!」(スウェーデン語・1年)
「専攻語の地域に行ける機会が多い。専攻語以外にも言語を色々学べる。」
(タイ語・3年)
「フランス語や中国語のようなメジャーなものから、ヘブライ語や古典チベット語のような日本ではあまり馴染みのない珍しいものまで、本当にたくさんの言語が学び放題である点です。」(トルコ語・1年)
また、学部教育の充実性を魅力の一つとして挙げている人もいました。外語のカリキュラムや授業の内容をざっくりまとめてみると、以下のようになります。
1,2年生の間は、週に5コマ(毎日1コマ)専攻言語の授業がある。ここで、徹底的に専攻言語を習得する。例えば…
<モンゴル語専攻の場合>
・ネイティブの先生の授業×2コマ
・会話の授業×1コマ
・文法の授業×1コマ
・古典文字の授業×1コマ
<スウェーデン語専攻の場合>
・文法の授業(日本人の先生)×2コマ
・講読(日本人の先生)×1コマ
・会話等アウトプット多め(ネイティブの先生)×2コマ
3年生以降は語学の授業は、週に1.2コマしかない。
ほとんどが専攻言語が話されている国や地域についての演習(歴史・文学・経済など)をする。
このように、外語の授業では専攻語に加え、その国や地域の文化についても深く学ぶことができます。しかしそれだけではなく、専攻語以外の言語を学ぶことができたり、留学制度が非常に整っていたりと、海外や外国語習得に興味のある学生にとっては、この上なく充実した教育を受けられる学部なのです。
③見える世界が大きく広がる
「1番は世界が広がることだと思います。日本とは違う思想や文化などに触れると、生き方や考え方に刺激を受けます。『こんな自分でもいいんだ』『自分の好きな道を好きなだけ歩もう』というマインドになれるんです。世界が広いこと、そしてその分多様な考え方があることに気づけた気がします。」(ヒンディー語・3年)
先ほども言いましたが、外語では様々な言語や文化に触れることができ、かつその勉強で得た知識を活かせる場面も数多く用意されています。具体的には、以下のようなものが挙げられます。
『スワヒリ語専攻の学生が中心となって、HIVに感染しているケニア在住の母親たちへの支援を続けている「トゥマイニ・ニュンバーニ」を初めとして、専攻言語に纏わるサークル活動を運営している。』
→専攻言語が話されている地域の現状を学んだり、その地域の支援活動に携わったりできる環境が整っている。
『中国語専攻においては授業外活動の一つとして、大阪アジアン映画祭との共催で映画字幕翻訳講座に参加したり、中国語映画に字幕翻訳をつける作業を行ったりしている。』
→「今専攻している言語は、将来こういう仕事をするのに役立つんだ!」などと いった、将来のビジョンに対する新たな気付きを得られる。
『タイ語専攻や日本語専攻では、タイ人の留学生や日本語を学ぶ留学生が多いことから、頻繁に留学生と互いの言語学習をサポートし合っている。』
→ただ単に言語の勉強が捗るだけでなく、留学生との親密な関わりを持つことができることから、日常的に異文化に触れることができる。また、「日本や日本語について教える」という行為を通じて、それらを客観的に見る力をつけることもできる。
ここで挙げた以外にも、外語の学生は、留学や語学研修に挑戦することはもちろん、学外の専門家の講義を受けたり、スピーチコンテストに参加したりするなど、授業や学校の範囲を超えた活動に多く携わることができます。これらの機会を上手く活かし、新たな文化に触れたり、多様な考え方を知ったりするなかで、見える世界を広げていくことができるのでしょう。
【参照】http://www.sfs.osaka-u.ac.jp/about_fs/guidance.html
さいごに
今回は、主に外語受験を検討している高校生の皆さんに向けたものとして書き始めました。しかし、いざ書き終えてみると、自分自身も今まで知らなかった外語の魅力を多く知ることができ、上手く言葉では表せませんが「素敵な学部だな、、、」としみじみしてしまいました。読んでくださった方々、高校生の皆さんもそれ以外の皆さんも、ありがとうございました。皆さんに、少しでも外語の魅力が伝わっていれば嬉しいです!
最後になりましたが、アンケートに協力して下さった皆様、丁寧なご回答誠にありがとうございました。