こんにちは、ライターのNatsuです!
今回は、阪大OG社会人5年目の鯉江真奈(こいえまな)さんに、就活・転職・将来について、インタビューをしました。
就活で「企業の選び方」に悩んでいる方は鯉江さんの生き方・考え方が参考になるのではないかなと思います。
【鯉江真奈さんプロフィール】
・愛知県立旭丘高校 卒業
・大阪大学法学部国際公共政策学科 卒業
・パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 入社
(システムソリューション事業部 SE1年、ITコンサルタント半年)
・オシロ株式会社 入社
(オンラインコミュニティ構築サービス営業・マーケティング1年半)
・a-works株式会社 入社

Contents
~志ベースで考えぬく就活~
Q、どんなことを考えて就職活動をなされていたのですか?
最大目標としては、「自分がどうありたいか、をかなえるために、どう仕事をしたいだろうか」を考えていました。
「芸術(音楽など)を通じて日本の人間がもっと心豊かに生活できるようになったらいい」というのが一番の志でした。
Q、鯉江さんの志はどのようにして形作られたのですか?
自分が何が好きか、何に関心があるかをメインに考えていました。
私は、幼少期から音楽をきいていて、失敗して落ち込んだときに好きなアーティストの曲に心が救われたといった小さな経験の積み重ねから、音楽が好きだと思いました。
また、原体験は、小学生の頃、父の仕事で大変で、家族があまり良い雰囲気でなかったときに、みんなが笑顔で幸せでいてほしいと思ったことです。
この二つが結びついて、芸術にふれる機会がたくさんあったら仕事でストレスを抱えて帰ってくる社会人の心も豊かになるんじゃないかと思いました。
Q、就活時の悩みはなんでしたか?
大学時代に充実した活動をしていたので就職する意味がわからなかったことです。
大学生の間は自分の時間をフルに使ってなんでもできるのに、就職すると仕事で平日8時間埋まるのは不自由だなと思いました。
そこで、就活のときは「仕事に就きつつも志と生きがいを持って働くには?」ということを突き詰めて考えていました。
社会人を経験して「仕事」の認識が広がった現在では、自分次第で仕事を通じて志を追いかけることができるという認識に変わっています。
どの企業に属していても、新しい仕事を生み出したり、やりたい分野に手を伸ばしたりと、社内外問わず仕事の幅はいくらでも広げられると思っています。
Q、就活の軸はなんでしたか?
どこに行っても通用する力をつけたいというスキル面と、自分と同じく意志をもって一生懸命仕事をしようとしている人がいることの二本立てです。
Q、就活の軸はどのように定まったのですか?
なぜ「スキル」と「人」になったかというと、芸術にダイレクトにアプローチするのは難しいと思ったからです。
「芸術の道にどうやって進むか」というのは、2年の夏くらいから4年の夏まで約2年間模索していました。
4年の夏、京都国際舞台芸術祭(https://kyoto-ex.jp/)でインターンをしました。そこで、デジタル化すれば改善できそうな業務が多いという現状をみて、ビジネスを通じて芸術をサポートできると気づきました。一方で、芸術分野のサポート知識もなく、特定のスキルがあるわけでもない私がここで入っても何もできないと痛感しました。
そこで、アートの外の世界にいる人としてサポートできないかと考え、いろんな業界を受けた結果、最終的に残ったITからサポートしようと決めました。
「人」については、自分がどう生きたいかを考えたときに、仕事の中でのときめきを捨てたらモチベーションが続かないと思ったため、一緒にわくわくしてくれる人たちがいる場所という条件も必要だと判断しました。
Q、もう一回就活するとしたら何を変えたいですか?
ビジネスの世界への偏見を持たずに就活をしたいです。
業界・職種に対するイメージに振り回されて、「ここの業界はこういうもの、だから私には合わない」と切り捨ててしまうのはよくないなと思います。確かに、会社や業界ごとで傾向はあります。
しかし、どんな会社にもいろんな部署があって、お客さんにも多種多様な人がいて、同じ会社にいる人間であっても誰もが全然違う仕事をしています。そのため、偏見を持たずに自分に合う環境を見定めたいなあと思います。
~流れに乗ってチャンスをつかむ!川下り型のキャリア~
キャリアの考え方には、山登り型(頂上の目標に向け逆算してマイルストーンをおく)と川下り型(自分の背中を押す流れにある程度乗って、チャンスがあったらつかんだり、出会いがあったらよりついてみたりする)があるといわれています。
鯉江さんは川下り型の考え方でキャリアを形成してきました。
「目標から逆算してもキャリアのイメージがつかない」という方は鯉江さんの考え方を参考にしてみてください。
Q,新卒の時点で今後のキャリアについてどのぐらい具体的に考えていましたか?
当時の自分としてはめっちゃ考えていたものの、想像でしかなく、あてずっぽうではありました。
具体的には、
「3年程度は1社目で社会人力とIT基礎を身につけて、その後マネジメントを伸ばすか、芸術分野に足を踏み入れたい。10年程度で、大きな事業とかデザインができれば...。」
というようなことを考えていました。
具体的な必要スキルだとか物にするために必要な年数などの見定めは全然できてない状態でした。
Q、転職を見据えて就活をされていたのですか?
転職はいつかはすると思っていました。なぜなら、同じところで同じものに関心をもち続けるのは好きではなく、環境を変え続けるのはたのしいからです。
Q,新卒の時点で考えていたキャリアから今考えているキャリアはどのように変わりましたか?
新卒の時は、行動ベースの考え方をしていました。今は、あり方を機軸にキャリアを考えています。
前者は、これができる人になりたい、あれがしたい、という考え方。
実際に、「芸術に寄与したい」「もっとスキルをつけたい」と思いながら仕事をしてきましたが、私にとってはきつい考え方でした。「今本当に芸術に寄与してるの...?」「スキルついてるの...?」という不安を持った時に自分を説得しきれなかったので。
そんな中でだんだんと、「私は今なにを考えているのか、どういう人でいたいのか」っていう考えが出てきました。その結果、スタンス重視、方向性重視の考え方に向かっていったんだと思います。
今の具体的なキャリア観は、「家族友人同僚お客様、といった仲間との関係性を深めていく過程を楽しみながら、出てくるアイディアを形にしていく」というものです。そんなふうにお仕事していく中で、人がもっと心豊かに生きられる世界に近づけていけたらいいなと思っています。

Q,20代で2回の転職ということで、悩まれたこともあったそうですが、キャリアについての決断をするときに大切なことは何だと思いますか?
身も蓋もないけれど、自分の生き方にそぐうことだと思います。「生き方」を分解していったら、私の例だと、創りたい価値(人の心豊かさ)、周りの人への接し方(仲間、深い関係性)、衣食住の考え方(寝るの大事食べるの大事)になるように、それぞれ全然違うと思います。
自分自身が大事にすることが、その職場で、その仕事でかなうのかがきっと大事。
転職の時には迷いもありましたが、周りの人が背中を押してくれたことも大きかったです。
Q,川下り型のキャリアの考え方では、常にチャンスや出会いをつかんでいく姿勢が必要だと思うのですが、働きながらチャンスを見つけていくためにはどのように行動したり考えたりすると良いですか?
川下り型の学生が社会に出て怖いのは、目の前の仕事に忙殺されてあらぬ方向に流されてしまうことだと思います。
仕事の責務を果たすのは必要だし達成感も得難いものだけれど、自分の行動が心と乖離してしまったり、身を粉にしすぎてしまっているようなら、自分がやる意味がない。
頭ばっかりに針路を委ねず、心躍ること、体が吸い寄せられてしまうくらい好きなことをいつでもちゃんと見つめようとするのが肝心だと私は思っています。
~コミュニケーションを大切に。鯉江さんが描く将来~
Q、これから5年後、10年後にやっていきたい具体的なことはありますか?
やっていきたいことは、コミュニケーションです。
仕事を通して出会っていく人と、関係性をものすごく深くしていくことでできることは、すごく実りのあるものだと考えています。
例えば、お手伝いをしている大学の先輩のアパレルブランドは、アフリカのベナンの布を輸入し、仕立てて、日本の人に売っているのですが、それはベナンへの支援にも、自分を知っている凜とした人が日々を幸せにするための手段にもなる、というように、ブランドを通して、自分の志の実現にもつながると思っています。
このように、今まで出会った人・これから出会う人とできるだけ仕事面でもプライベート面でも関係を深くして、その人達とやれることを考えて一緒に事業をすることは、最終的に自分がやりたかった、日々に芸術などの彩りを加えることでみんなが心を豊かに生きられる、ということにつながると思っているので、そのようにやっていけたらと考えています。
~迷える就活生が頼るべきなのは...!?~
Q、最後に、就活生へメッセージをお願いします。
いい先輩をみつけたり、あるいはすでにいる先輩・周囲の人たちをひっぱってきて頼るのがいいのではないかなと思います。
当時の私は、大好きな先輩はたくさんいるけれど、頼るのが苦手で、身近な人よりも、就活エージェントの方や企業の採用担当者さんに頼り切ってしまっていました。
今考えると、「頼るべき人はそこじゃなくて他にもいるだろ!」と思います。自分のことを知ってくれている人が一番いいアドバイスをくれたりしますし、社会人の生活は情報量があまりに多く学生には想像できないことがたくさんあるので、社会人になってしばらくたっている先輩を頼るのがいいかなと思います。